就労継続支援B型事業所がR8年度の処遇改善加算を考えるとき、まず確認したいのが「加算率」です。
処遇改善加算は、算定する区分によって加算率が変わります。
加算率が高い区分を取得できれば、職員の賃金改善に充てられる金額も大きくなります。
ただし、加算率だけを見て判断するのは危険です。
上位区分を取得するためには、賃金改善の方法、キャリアパス要件、職場環境等要件などを整える必要があります。
この記事では、R8年度の就労継続支援B型における処遇改善加算の加算率と、収入の目安について整理します。
R8年度の就労継続支援B型の加算率
R8年度の就労継続支援B型における処遇改善加算率は、次のとおりです。
加算Ⅰロ 10.9%
加算Ⅰイ 10.5%
加算Ⅱロ 10.7%
加算Ⅱイ 10.3%
加算Ⅲ 8.8%
加算Ⅳ 7.4%
加算率だけを見ると、加算Ⅰロが最も高くなっています。
次に加算Ⅱロ、加算Ⅰイ、加算Ⅱイ、加算Ⅲ、加算Ⅳという順になります。
特にR8年度では、加算Ⅰロ・加算Ⅱロが新たなポイントになります。
これらは、職場環境の改善や生産性向上に取り組む事業所に関係する区分です。
月売上200万円の場合の目安
月売上が200万円の場合、加算額の目安は次のようになります。
加算Ⅰロ 約21万8千円
加算Ⅰイ 約21万円
加算Ⅱロ 約21万4千円
加算Ⅱイ 約20万6千円
加算Ⅲ 約17万6千円
加算Ⅳ 約14万8千円
たとえば、加算Ⅲでは約17万6千円、加算Ⅰロでは約21万8千円です。
月額では約4万2千円の差ですが、年間で見ると約50万円の差になります。
職員への手当や賞与、一時金を考えるうえでは、決して小さくない金額です。
また、加算Ⅳと加算Ⅰロを比べると、月額で約7万円、年間では約84万円の差になります。
このように、どの区分を取得するかによって、職員の処遇改善に使える金額は大きく変わります。
まずは加算Ⅲを土台に考える
新しく処遇改善加算を整える事業所では、まず加算Ⅲを土台に考えると分かりやすいです。
加算Ⅲでは、賃金改善の基本ルール、月額賃金改善要件、キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、職場環境等要件などが関係します。
つまり、加算Ⅲは処遇改善加算の基本になる区分です。
最初から加算Ⅰを目指すのではなく、まずは加算Ⅲに必要な体制を整え、そのうえで加算Ⅱ、加算Ⅰへと段階的に進めていく方が現実的です。
加算率だけで判断しないことが大切
処遇改善加算で大切なのは、加算率だけではありません。
上位区分を目指す場合は、次のような点も確認する必要があります。
賃金規程や就業規則が整っているか
職員の役割や職責が明確になっているか
研修計画や資格取得支援の仕組みがあるか
昇給のルールが決まっているか
職場環境等要件の取組を説明できるか
職員会議や面談の記録があるか
業務改善やICT活用に取り組んでいるか
要件を十分に確認しないまま上位区分を算定すると、後で指導や返還につながるおそれもあります。
そのため、加算率と要件の両方を確認し、自分の事業所に合った区分を選ぶことが重要です。
実際の金額は事業所ごとに変わる
この記事では、月売上200万円の場合を例にしました。
ただし、実際の加算額は、利用者数、利用日数、基本報酬、各種加算の算定状況によって変わります。
送迎加算、食事提供体制加算、欠席時対応加算、目標工賃達成指導員配置加算などを算定しているかによっても、報酬額は変動します。
そのため、正確な金額を確認するには、実際の請求額をもとに試算する必要があります。
まとめ
R8年度の就労継続支援B型における処遇改善加算は、区分によって加算率が異なります。
月売上200万円の場合、加算Ⅲでは約17万6千円、加算Ⅰロでは約21万8千円が目安になります。
ただし、加算率が高い区分を取得するには、賃金改善、キャリアパス要件、職場環境等要件などを整える必要があります。
特にR8年度は、職場環境等要件や生産性向上の取組が重要になります。
処遇改善加算は、単に加算を取得するためのものではありません。
職員の賃金改善を通じて、働きやすい職場を作り、職員の定着と支援の質の向上につなげるための制度です。
松倉行政書士社会福祉士事務所では、就労継続支援B型をはじめとする障がい福祉サービス事業所の指定申請、運営支援、加算取得、研修資料作成、各種マニュアル整備のサポートを行っています。
処遇改善加算の加算区分や職員への配分方法でお困りの事業所様は、お気軽にご相談ください。

