遺言書

遺産分割協議書を正しく作成するための5ステップと注意点

    遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を文書化する重要な書類です。不動産の名義変更や金融機関での手続きに不可欠であり、形式や内容に不備があると手続きが進まない原因になります。この記事では、遺産分割協議書をスムーズに作成するための5つのステップと、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。


    ステップ①:相続人を正確に確定する

    まず最初に行うべきことは、法定相続人を正しく確認することです。戸籍謄本を遡り、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取得し、配偶者・子・兄弟姉妹など、相続権のある全員を把握します。

    「兄弟だけだと思っていたが、実は認知された子どもがいた」といったケースもあるため、戸籍による確認が必要不可欠です。


    ステップ②:遺産の内容を把握する

    続いて、被相続人が遺した財産をすべて洗い出します。

    • プラスの財産:不動産、預貯金、株式、有価証券、車両、貴金属など
    • マイナスの財産:借金、未払いの税金、ローンなど

    この時点で「財産目録」を作成しておくと、後の協議がスムーズになります。


    ステップ③:遺産の分け方を協議する

    相続人全員で話し合いを行い、誰がどの財産を相続するかを決定します。

    分割方法は法定相続分に限らず、相続人の合意があれば自由に決めることができます。公平性や実情を考慮しながら、円満に協議を進めることが大切です。


    ステップ④:協議書を正しく作成する

    分け方が決まったら、その内容を「遺産分割協議書」にまとめます。

    協議書には以下の情報を正確に記載しましょう:

    • 不動産の場合:所在地、地番、面積、登記情報など
    • 預貯金の場合:銀行名、支店名、口座種別、口座番号

    記載例:

    • 土地:○○市○○町○丁目○番○ 地番○○ ○平方メートル
    • 預金:○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○○○

    曖昧な記載では法務局や金融機関での手続きが却下される可能性があるため、正式名称・情報で記載することが大切です。


    ステップ⑤:全員が署名・実印押印+印鑑証明書を添付

    作成した協議書には、相続人全員の署名実印による押印が必要です。

    さらに、各相続人の印鑑証明書を添付します。このセットがそろって初めて、不動産の登記変更や預貯金の解約手続きが可能になります。


    よくあるつまずきポイント

    • 書類の形式に不備があると法務局で却下される
      書式や記載内容にミスがあると、手続きがストップしてしまいます。
    • 相続人の一人でも署名・押印しなければ無効
      全員の合意が前提です。誰か一人でも不参加だと協議書は成立しません。
    • 後から内容変更を希望してトラブルになるケースも
      内容は慎重に決め、確認したうえで署名することが重要です。

    専門家に相談するメリット

    遺産分割協議書は形式や記載内容が非常に重要な書類です。行政書士や司法書士など、相続手続きに精通した専門家に相談すれば、以下のメリットがあります:

    • 書式不備のリスクを回避できる
    • 必要書類の案内や収集をスムーズに進められる
    • 相続人間の調整が必要な場合にアドバイスが受けられる

    まとめ:正しい手順と備えが安心な相続につながる

    遺産分割協議書の作成は、相続を円満に進めるための重要なプロセスです。
    時間と労力がかかる手続きだからこそ、早めの準備と正確な文書作成が大切です。

    不安な点があれば専門家に相談し、家族のために確実な相続手続きを進めましょう。

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