成年後見制度|松倉行政書士 社会福祉事務所

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将来に備える「後見制度」のご案内

〜法定後見と任意後見の違いをわかりやすく解説〜

「もしも、自分で判断できなくなったら…」
高齢や病気、事故などにより、自分自身のことを自分で決めることが難しくなる可能性は、誰にでもあります。そんな“万が一”に備えるための仕組みが「後見制度」です。

後見制度には、大きく分けて **「法定後見制度」「任意後見制度」**の2つがあります。
ここでは、その違いや特徴、そして実際の活用方法について、わかりやすくご説明します。


<法定後見制度とは>

法定後見制度は、すでに認知症や精神障がいなどにより 判断能力が不十分になってしまった方のための制度です。
家庭裁判所がその方の状態に応じて「後見人」などの支援者を選び、財産の管理や必要な手続きの代行などを行います。

法定後見制度には、以下の3つの類型があります:

  • 後見:判断能力が全くない状態(例:重度の認知症など)
  • 保佐:判断能力が著しく不十分な状態
  • 補助:判断能力が一部不十分な状態

いずれも、家庭裁判所が本人の状況を見て支援者を決定するため、自分で後見人を選ぶことはできません。
また、一度開始されると、本人の意思でやめることもできません。

そのため、「自分の信頼できる人にお願いしたい」「将来のために今から準備しておきたい」と考える方には、もう一つの制度「任意後見契約」がおすすめです。


<任意後見契約とは>

任意後見契約とは、将来判断能力が低下したときに備えて、あらかじめ信頼できる人(任意後見人)と契約を交わしておく制度です。
自分で元気なうちに「この人に任せたい」と決めておけることが大きな特徴です。

▼ 任意後見の4つのポイント

1. 自分で決められなくなったときの備え

将来、認知症や病気などで判断力が衰えたとき、あらかじめ契約しておいた任意後見人が、自分に代わって大切な判断や手続きをしてくれます。

2. お金や法律のことを安心して任せられる

例えば、銀行での手続きや年金の受け取り、介護サービスの契約、不動産の管理など。
判断が難しくなったときでも、自分が信頼して選んだ任意後見人が、自分の代わりに対応してくれます。

3. 家族や周囲への負担を軽減

突然の病気や事故があっても、任意後見契約をしていれば、家族や周囲の人が困ることなく、スムーズに支援体制を整えることができます。

4. 自分の想いをしっかり伝えることができる

任意後見契約を結ぶ際に、自分の大切な想いや希望を、事前にしっかり伝えることができます。
たとえば「施設ではなく自宅で暮らしたい」「通帳の管理は最低限にしてほしい」といった細かな希望も契約に反映できます。


<任意後見の発動には条件があります>

任意後見契約は、公正証書で結んでおくだけでは、すぐに効力が発生するわけではありません。
将来、実際に判断能力が低下したときに、家庭裁判所へ「任意後見監督人の選任」を申し立て、その選任がされて初めて契約が発動します。
これにより、任意後見人がきちんと本人のために行動しているかどうかを、監督人がチェックする仕組みになっています。


<任意後見移行型:柔軟な支援のカタチ>

実は、判断能力があるうちから生活支援が必要な場合には、「任意後見移行型」という活用方法もあります。

たとえば、

  • 足が不自由で銀行に行けない
  • 契約や支払いなどの事務手続きを代わってほしい

といった事情がある場合、まずは**「委任契約」**を結び、元気なうちは委任によって日常的な支援を受けます。
そして、将来判断能力が衰えた際には、そのまま任意後見契約がスタートできる、という仕組みです。

この方法であれば、早い段階から信頼できる支援者のサポートを受けながら、将来の安心も確保することができます。


まとめ:自分の人生を、自分でデザインする準備

任意後見契約は、将来の不安を減らし、自分らしい暮らしを守るための“ライフプランの一部”です。
法定後見と異なり、自分で後見人を選べること、元気なうちに準備できること、そして何より「自分の意思」を大切にできる点が大きな魅力です。

行政書士は、こうした契約の手続きや内容のご相談を丁寧にサポートいたします。
契約書の作成はもちろん、信頼できる人との関係の築き方や、どのタイミングで契約を結ぶのが良いかといった点も、専門的な視点でご提案いたします。

安心できる未来のために、今からできることを一緒に考えてみませんか?