成年後見制度

任意後見制度に関する誤解と正しい理解|Q&Aでスッキリ整理!

    任意後見制度は、高齢期や将来に備える制度として注目されていますが、実際には「契約したらすぐに効力があるの?」「家族がいれば不要なのでは?」など、誤った認識が広がっている場面も少なくありません。この記事では、よくある誤解をQ&A形式で整理しながら、正しい知識を解説します。


    任意後見契約はいつから効力が発生する?

    Q:任意後見契約を結んだら、すぐに後見が始まりますか?
    A:いいえ、すぐには始まりません。

    任意後見契約は、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時点で効力が発生します。それまでは契約内容に基づく支援は行われず、準備段階となります。


    任意後見人は自由に財産を使えるの?

    Q:任意後見人は本人の財産を好きに使えるのですか?
    A:いいえ、使えません。

    任意後見人の権限は、契約内容に明記された範囲に限られます。任意後見人は本人の利益のために支援する役割を持ち、不正行為が発覚すれば契約解除や損害賠償請求の対象となります。また、家庭裁判所の監督下に置かれることも、透明性を保つ仕組みの一つです。


    家族がいれば任意後見契約は不要?

    Q:家族がいれば任意後見契約は必要ないのでは?
    A:場合によっては必要です。

    家族が遠方に住んでいる、疎遠になっている、高齢で支援が難しいといった状況では、家族がいても将来の支援体制に不安が残ります。任意後見契約を結んで信頼できる第三者を選任しておくことで、安定した支援が期待できます。


    任意後見契約は認知症になってからで間に合う?

    Q:認知症の診断を受けてからでも契約できますか?
    A:いいえ、できません。

    任意後見契約は、本人の判断能力が十分にあるうちにしか結べません。契約内容の理解ができないと判断された場合、契約自体が無効となる恐れがあります。認知症の兆候が見える前の、元気な段階での準備が不可欠です。


    任意後見人を頼める人がいない場合は?

    Q:後見人になってくれる人がいなかったら?
    A:専門職への依頼が可能です。

    信頼できる親族がいない場合でも、行政書士・司法書士・弁護士などの専門職に任意後見人を依頼することができます。ひとり暮らしの方や身寄りのない方でも、支援体制を整えることが可能です。


    亡くなった後のことも任せられる?

    Q:死後の手続きも任せることはできますか?
    A:任意後見契約では対応できません。

    任意後見契約は本人の生存中にのみ有効です。死亡後の手続き(葬儀・埋葬・家財整理など)を希望する場合は、死後事務委任契約を別途結ぶ必要があります。近年では、任意後見契約と合わせて準備する方が増えています。


    正しい知識で将来に備える

    任意後見制度は、自分の意思を反映した支援体制を整えることができる制度です。しかし、誤った認識のままでは、せっかくの制度を十分に活かせない可能性もあります。制度の特性を理解し、自分に合った支援の形を考えることが、将来への備えに直結します。


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